(1)「思索の枝葉」の世界観、設定について

 FSW宣言する設定は、一つの存在と、それを模倣する存在、およびそれに関係する存在です。
 「思索の枝葉」に一定した世界観はありません。つまり、利用方法次第で、現代的な世界や、近未来的な世界であっても適用できます。

・「一つの存在」について

人の形をしている存在ですが、人とは違う存在です。種族等は不明。というより、人がつけた種族名を持っていません。全体的に性質は温厚です。
その存在はごく一部の人々(学者や権力者)にのみ知られ、「便利なもの」あるいは、その世界で流行った物語からとって、「ディスラト」と呼ばれます。「ディスラト」は蔑称の意味合いが強く、あまりいい言葉ではありません。

 性別を持たず、意思によって姿かたちや性別、使う言語を変えることができ、また寿命は永遠に近いと科学者の研究により出ています。しかし、実際、人の病気にかかると死ぬこともあるようです。ですが、基本的に老いによる死はありません。
 殺すことができるのかどうかですが、燃やす溶かす等の徹底的な処置をしなければ滅多に死亡することはないようです。指一本でも残っていると、そこから復活します。しかし、爪や髪、指以上に小さい部位からは復活できないようです。
 現存する記録によれば、癌による死亡、風疹による死亡、風邪による死亡、性病による死亡、殺害による死亡が確認されています。
 肉体的には丈夫なので、病気にかかることは少ないです。

 基本的に彼らは「魔法」「魔術」といったものは使えません。運動能力も人と同じレベルです。しかし、ごく一部のものたちには「空間を渡る」、つまり「世界と世界を行き来する」ことが可能であったようです。

 繁殖方法は人と違い、単独で数百年に一度、ときどき卵のようなものを産みます。繭に似ているとも記録されていますが、定かではありません。その卵のようなものを何百年か撫で続けると、中から成人体と変わらぬ姿の子(といえるのかどうかは微妙ですが)が孵ります。
 人の生殖方法とはまったく違い、性交による生殖はできません。
 そのため、基本的に彼らにとって性交とは、趣味嗜好によるものであり、種を保存するための役割は担っていません。
 性欲は個人差があり、大抵は淡白です。

 博愛的な気質のため、個人間の愛着はあまりなく、時折、伴侶を持つものもいますが、大半はコミュニティを形成するとそこで穏やかに生活します。
 高度な文明を持っていたのにも関わらず、外界との交流を嫌う傾向にあり、同じ「便利なもの」であっても、コミュニティが違えばまったく違う文化を築き、それらが交わることはほとんどありません。ただ、言語を意思で変えられることができるので、違うコミュニティに属していたといっても意思の疎通がまったくできないというわけではありません。
 また、彼らは半永久的な存在性から、もともとの絶対数が少なく、繁殖力は低いようです。

 いつごろこの存在が発見されたのかは記録が残っていないため不明ですが、権力者や金持ちの間では、その自由自在な存在性のため、さまざまなことに用いたようです。
 勿論、彼らに人権は存在せず、酷使されたため、数を減らしていきました。
 彼らに関する記録や資料が著しく少ないのは、あまりにも非人道的な事実がマスメディア等に漏れることを恐れたためだったと思われます。

 もともと数が少ない上に、「空間を渡る」能力を持つものたちは別の空間へ逃げ、能力を持たないものたちも繁殖に時間がかかるために、絶滅の危機に瀕しました。
 彼らの利便性を知っている権力者や金持ちたちは、彼らの代替品を求めました。科学者や学者はその要望に答えるため、そして純粋な知的好奇心によって、彼らの模造品、コピー作品を作ることに乗り出しました。

・「模倣する存在」について

 前記によって、学者や科学者の手により、「便利なもの」のコピーが生まれました。
 しかし、「便利なもの」をコピーすることは難しく、完全に複製できた存在はないと言われています。
 何年、何十年とそのプロジェクトに関わってきた科学者たちの間でも、意見の食い違いや方針の対立から、分裂しました。
 初代プロジェクトのメンバーは散り散りになり、そこでまた新たに研究を続ける者、非人道的だと研究をやめた者、さまざまでしたが、結局、複製体を作る者はいなくなりませんでした。
 あるメンバーたちは、既存の存在をベースにして複製品を作ろうとし、あるメンバーたちは一から複製品を作り出そうとしました。結果、研究は数え切れないほどの死者を出しました。
 しかし、その生み出されたコピーは、比較的安定しているものでも欠陥をはらんでいました。
 また、一部の能力だけが突出してしまい、存在が不安定なものも数多くあったようです。



(2)現在明らかな複製記録

現在、あるプロジェクトメンバーの活動履歴、および複製体の記録が残っています。

【Proto_Type_No,0081】
 経緯不明。情緒不安定、人格に破綻有。
 また、記憶に関しての著しい能力低下。
 耐性を実験したところ、手足を切断、下半身切断しても生きていた。心臓、頭部などへの耐性は試していない。
 肉体の変化が可能。病の耐性も人と同じくあるようだ。ほとんどの病気をためしてみたが、回復。この点のみ、元のものより勝っているか。おおよそ現段階の複製の中では高レベルである。
 しかし、その人格の不安定さからか、しばしば攻撃的になることがあり、研究所を脱走したことが数回。
 この複製をベースに、研究を進めていく方針だったが、数度目の研究所脱走の後、行方不明。
 他のメンバーに保護されたと聞いたが、そこもまた逃亡したようだ。

【Proto_Type_No,0081a】
 0081 複製体。
 人格を保てず発狂、自ら壁に激突し、死亡。

【Proto_Type_No,0081b】
 0081複製体。
 情緒不安定。感情に乏しいが、一度気持ちが高ぶると攻撃的になる。メンバーの一人が負傷したので、殺処分を決定。
 一部の報告によると、空間を展開維持する能力があるとのことだが、未確認。
 0081にはそのような能力はないので、恐らくは誤認。殺処分完了。

【Proto_Type_No,0081c】
 0081 複製体。
 体温が保てない。言語にもやや不自由が見られる。被験体が子どもだったためか、目を見張る適応性を発揮したが、凍えた身体を温めようとして油をかぶって自分で火をつけた。焼死。

【Proto_Type_No,0081d】
 メンバーより、被験体が紹介される。
 0081 を複製する目的で複製処理が施されたが、結果は失敗。

【Proto_Type_No,0081e】  0081複製体。
 記憶に欠落が見受けられ、0081の特性をまったく引き継いでいないところを見ると失敗か。



(3)注意事項等

 「思索の枝葉」を利用するにあたって、必ずしも、Proto_Type_No,……に順ずる必要はありません。
 これは初代メンバーがばらばらになった後に、発足したあるプロジェクトメンバーの記録なので、違うメンバーが複製すれば、違う通し番号になります。
 また、「思索の枝葉」の設定は、複製体のみに使用できるわけではなく、「便利なもの」や科学者や権力者、関係する存在、世界、全てに使用することができます。
 細かいルールはありませんが、上記であげたナンバーはすでに使っていますので、同ナンバーを使用するのは避けてください。



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